日曜日いかがお過ごしでしょうか。こちらはさすがに朝の冷え込みがきびしくなってきたのでベッドをモコモコにして暖かさをましたところです。おかげで朝布団から出るのがもっとつらくなりました。だめじゃん
なんか今外でめっちゃパトカーと救急車がウーウー言っています
通り過ぎてった
静寂に…
Splatoon履歴 #2 以降を書かないとなーと思いつつ今日は別の話題です。
自分が好きな音楽アーティスト集団について書いてみようかなと思います このような記事は隔週で書く予定です。いまのところは
ファミコン・スーファミ世代の8bit~16bitゲーム機で再生された音楽たちの機能的制約やそのチップ内蔵の特有の音色を使って(または真似て)音楽を作ろうというムーヴメントのことをchiptuneと呼びます。呼称はいろいろあり、厳密に当時の機器の機能的制約を満たしていないchiptuneのことはfakebitと呼ばれたり、楽曲中のすべての音が当時の音色でないとchiptuneとは呼べないという主張があったりしますが、まあとにかく「あのあたり」の風を感じる音が鳴っていたら全部chiptuneでいいですね。
そんなchiptuneのムーヴメントを背景として、従来のchiptuneの思想と00年代から10年代にかけての新しいシンセミュージックや技法を組み合わせてより含蓄のある音楽表現を模索している方たちが集まって音楽をリリースしている集団がいくつかあるので紹介させてください。
ちなみに私はこのような「以前の技法を組み合わせて新しいアプローチを生み出す」音楽がとても好きで、日本語だと「先進的」「前衛的」としかうまく表現できませんが、英語でいうと”pushing boundaries”な作品が好きだということです。アイデアを育てていく作品作りは鑑賞しているだけでもおもしろいものです。
Ubiktune
Ubiktune is a #chiptune and #digitalfusion music label. Our music is a balance between complexity and creativity, accessibility and groove. Founded in 2006 by @Seajeff, in association with @Sugem & newart.
https://soundcloud.com/ubiktune
Ubiktuneは2006年に設立されたオンライン上の音楽レーベルで、chiptuneとデジタル系fusionを中心として、複雑さと創造性、とっつきやすさ(accessibility)とグルーヴ感のバランスを重視した音楽を収集してリリースしている集団です。
自分の好きなアルバムをいくつか掲載します。
※おそらく一番多くのリリースがきちんとまとめられているのはSoundCloudなのでこちらを参照ください: https://soundcloud.com/ubiktune/albums
Zackery Wilsonによる2014年のアルバム『SNESQUE』です。スーファミの名作ゲームの音色(サウンドフォント)を流用してZackery氏の筆致で新しいスタイルの音楽に転生させた作品集です。
Zackery氏は小気味よい音の刻みが特徴的な巧緻性の高いfusionをメインの音楽スタイルにしています。フレッシュ。異常に作曲がうまい
「巧緻性の高い」というのはUbiktune外のリリースですが彼の曲を観ていただいたらわかります
最近『SNESQUE II』が出ましたが、そちらもスゴすぎです。
8bitなChiptuneを得意とするFearofdark氏による『Motorway』です。名曲ばかりなのですが、思い出補正もあり『Rolling Down The Street, In My Katamari』が私のお気に入りです。
次の記事で紹介しようと思うのですが、別の集団STAFFcircが最初はUbiktuneからのリリースから始まったようで、そのSTAFFcircの最初のアルバムです。
STAFFcircの作品群の思想はUbiktuneのものと大きく離れていないのですが、とっつきやすさ(accessibility)の部分を少し捨てて、より前衛に、よりジャズに、より複雑でより自由な表現を模索しています。取り入れているアーティストやムーブメントの流れもUbiktuneよりのちのち広くなっていきます。(ゲーム音楽以外のレトロコンピュータミュージックにも視野が広がります)
平易に言えばムズかしい音楽が好きなひとたちがchiptuneのフィールドで好きに音楽をやるための空間としてSTAFFcircが分岐したという感じだと思います。
Ubiktuneを紹介したのは私のお気に入りのこのアルバムを紹介したかったからです。
2015年にfluidvoltが発表した『Clay Memory』です。
任天堂ゲーム『MOTHER 3』(GBA)の音色を使って作られた12曲の作品群です。MOTHER 3を直接遊んでいなくとも、16bit時代のゲームを幼少期に遊んだ人々のノスタルジーを呼び覚ましてくれる素敵なアルバムです。
決して語りすぎない音楽であり、奥ゆかしさがあるというか私たちが想像する余地を残してくれているようで、なおかつ子どものような無垢ではかない思い出のような感情と、それらがあったころの季節の温度と共鳴するようなアルバムでとてもすてきだなと思っています。
ぜひお聴きください。
Ubiktuneからは他にもFunkやSynthwave, その他純粋なchiptuneなど、さまざまなアプローチによるすてきなアルバムが数多く出ておりますので興味がございましたら彼らのリリースをチェックしてみてください。
次回の記事ではSTAFFcircの話をしようかなと思います。
風邪をひかないようお気をつけてお過ごしください~。それではまた。