ド散文シリーズです 推敲なし
最近毎日ブログ更新してますが、いつの日か必ずダレて更新が隔日になっていくので、その日を待っていてください。(最悪)
昨年9月にフォロワーさん方のオフ会にリモート参加するために作ったFaceRig用Live2Dアバターのマイイカ(ゆるむ)モデルについていろいろ書こうと思います
FaceRig向けのLive2Dモデルを作る上で当たり前になってること(よそでも読める内容)は大分省略しています
製作期間
6日(40時間程度)で作りました
・イラスト12時間
・モデリング24時間
・物理演算設定・パラメータ調整・トラッキング調整4時間
オフ会での使用後、今日にいたるまで3回ほどモデリングにテコ入れをしています
どうやって作った
Live2DもFaceRigも使うのははじめてだったので、6日間の作業の前日にLive2D Cubismの公式マニュアルとFaceRig連携用パラメータの設定値情報とモデリング解説YouTube動画を読めるだけ読み切ってから作業に入りました。
超短期間でモデルを完成させる必要があり、モデリングも絵描きも不慣れな私では全身モデルを描いて間に合わせるのはまず無理だろうと思い、上半身(腰と肘から上)だけのモデルを描くことにしました。
CLIP STUDIOで描いた時点では帽子パーツもあったのですが、モデリングが無理すぎて帽子の実装は諦めました
モデリングのイロハというか、トラッキング用の各パラメータに関連付けるパーツやその動き方については入江燈さんのパラメータ解説動画を参考にさせていただきました
神動画なので学習者全員みてください
微妙な技術的なメモは昔pixivに書いたのでそちらもお読みください
https://www.pixiv.net/artworks/84504538
モデリングの際に考えていたことを書き出してみます
★をつけたものは特にやって効果があったなと感じたものです
【モデリング編】
・とにかくXY角度によって頭が動いたときに頭のパーツがスムーズに動くようにすること
・呼吸パラメータによる胸郭運動は控えめに
・インクリング特有の閉じた目の白ラインを表現すること → 目を閉じた時に瞳の透明度を下げるようにして対応した
★口変形(口角上下による笑顔判定パラメータ)によって変形するパーツは口だけではなく、閉眼時の白線目の曲線変化、目尻や下まぶたの動き、上まぶたの高さ、眉の高さ、頬紅潮と瞳ハイライトの明るさ(ごくわずかな変化)などにも連携するようにした。人は顔全体で笑う
★眉上下した際に上眼瞼側の目の面積が眉に合わせて変わるようにした→眉が上がっていたら目はパッチリ、眉がさがっていたらにらむような真剣な顔に
★頭や身体のXYZ運動に合わせて、頭だけ傾くor全身ごと傾く だけではなく、微妙に首から胸、肩にかけてもデフォーマによる変形を加えて前後方向の身体の傾きも表現するようにした
★パラメータをある一点で止めた時点のモデル造形が狂って見えたら当然修正する必要はあります。でもこのようなモデリング調整作業はいつまでやっても100%の完成度にはならず、90%, 99%, 99.9%, 99.99%… の完成度のなかで苦しむことになりますが、99%くらい完成した時点ですでにFaceRig上でトラッキングして動かしてみると自分では許せるくらい自然に動くようになっていることがあります
100%いつでもきれいな状態じゃなくても、1%や0.1%くらい不細工・不自然な状態が残っているとかえって味わいが出ることもあり得るのかなと思いました
でも完璧は目指したいんですけどね結局…
❔
【トラッキング編】
・昨年9月時点ではiVCamというiPhoneをwebカメラ代わりとしてパソコンにつないで使用することができる無料アプリを使って顔を撮影していましたが、画質とフレームレートに難があり、結果としてトラッキングがしょっちゅう解除されてしまう問題があった
・結果、しばらくして3000円程度のごく普通のwebカメラを買いました。一応2K解像度60fps対応してる代物らしいですが、そんなリッチな環境では使用していません。
★モデリングを完璧な状態にするより、トラッキング設定を完璧にしたほうがちゃんと生き生きと動き、そっちのほうがずっと重要
トラッキング設定の調整にモデル作ってから今日にいたるまで多分のべ300分くらい溶かした
・一旦FaceRigにモデルを取り込んで動かせるようになったら、まずはトラッキング設定を限界まで調整してみてから、想像通りに動いてくれないパラメータをLive2D Cubismに戻って再編集した。
上記のようなやり方で全パラメータを調整しました。
・どのパラメータにおいても、FaceRigの仕様上、Live2D/FaceRig連携の要件定義でいわれてるパラメータの値域の上端や下端スレスレの数字のゾーンでは、トラッキングで読み取ってるパラメータ値が不安定に揺れたり、上端/下端に張り付いたりしやすいので、そのあたりの現象が起きてもマシに見えるように気をつけながらパラメタ調整をする必要がありました
でもやってて楽しい作業なのでこのあたりに来るとテンション最高でした
・「再標的化する情報」はオンにしておく(そのほうがトラッキングが外れにくい?)
・60Hzトラッキングリフレッシュをすると瞬きや口の動き、頭の動きなどすばやい動きのトラッキングが逆にうまく反映されないことがある、おそらく自分で最適化した各トラッキングのスムージングの設定と衝突しているのだろうが、自分には合わないと判断したのでこれはオフにしている
・斜視目はなんとなく有効にしたほうが瞳を動かしやすい
・まゆげ上下は、そもそも単一パラメータ(左眉毛Y)で左右のまゆげを同時に動かすようにしているので、私には関係のない項目である
・まぶた開閉については、最初ウィンクができたらいいなと思って左右独立にしていたが、FaceRigのまぶたトラッキングの精度がそこまで高くなく、常に左右の目の開閉を正確に追わせることができず結果不自然に目をつむりまくるようになってしまったので、ウィンクは諦めて左右のまぶた開閉は同期させている(よほど自然である)
【OBS編】
・スケールフィルタで「ランチョス」を設定しておくと輪郭線がなめらかに出る
・緑抜きのクロマキー設定をしたあと、微妙に色を調整しています
ギャラリー
作ったモデルがなめらかに動くと嬉しいですね。
落ち着いていつつも喜怒哀楽が表情として出やすいモデルに仕上がったということは、マイイカの性格らしさもよく出たモデルになったということを意味していてとてもうれしいですね。
ゆるむモデルに今後さらに調整を加えるとしたら、笑うときの口の変形の作り直しや、頭を傾けたときの頭部と首の位置関係の調整をしたいと思っています 笑う口がすこし怖いし頭を傾けると頸から頭が浮いちゃってることがあるんですよね……
作業の総合的な感想としては、とにかく違和感なくなるまで調整することを繰り返すことがクオリティアップのうえのほぼすべてであるように感じました 最初の素体絵が微妙でもモデリングでカバーはできます多分!
今後、rumuが個人として(話したりする用途で)使うモデルを作ることがあれば、ゆるむモデル制作で得た知見をもとにチャレンジしてみようと思いました まる!